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ネックレススタイルとトレンドの関係

デコルテの美しさが際立つドッグカラーネックレス

「ドッグカラーネックレス」 と聞くと “ペットのアクセサリー?” と思う方もいらっしゃるかもしれませんね。犬の首輪のようにぴったりと首に巻くことから、ドッグカラーネックレスと呼ばれるようになったのでしょう。
ドッグカラーネックレスの起源はわかりません。歴史を遡れば、15世紀後半のイタリア・ルネッサンスの巨匠、ポッライオーロの絵(図1)にすでに描かれています。また、図2、3に見られるように、この長さのネックレスは、さまざまな時代の女性たちに愛用されて来たのです。

20世紀に入ってすぐにドッグカラーネックレスを広く流行させたのは、イギリス女王アレクサンドラ・オブ・デンマークでした。そして、全世界に鮮烈な印象をもたらしたアイコンは、1950年代にブレイクした大スター、グレース・ケリーとジーン・セバーグの二人ではないでしょうか。
“クール・ビューティー”と賞賛されたグレース・ケリーが 「裏窓(1954)」 で演じたリザ・キャリー・フリーモントは、ハイソサエティのお嬢様。でも、愛する人のために危険なものにも立ち向かう強さを持っています。グレースは、この役に描かれた、優雅な品性と冒険心との危ういバランスを、イーディス・ヘッドの大胆な襟開きのドレスに一本の真珠のドックネックレスをキリッと潔く巻きつけることによって、鮮やかに表現して見せました。

一方、ジーン・セバーグは、フランソワーズ・サガンの 「悲しみよこんにちは(1957)」の映画化でセシルを演じるため、それまで長かった髪をバッサリと切り、当時としてはセンセーショナルだったピクシーヘア(ベリーショート)にしました。サガンとの初打ち合わせの時とされる装いでは、細長い首を強調するように真珠のドッグカラーネックレスをつけ、わざとカメラから視線を逸らせたポーズをとって、大人に反発する思春期のヒロインの繊細さや脆さを予感させました。

この二人のアイコンの影響でしょうか、当時のファッション誌を見ると、1950年代後半から60年代初頭にかけて、ドッグカラーネックレスのトレンドがあったことがわかります。

現代においても、ドッグカラーネックレスは、首の細さや美しさを強調する方法として効果的に用いられています。胸元のVゾーンを際立たせて背を高く見せたり、肩の位置を低く見せて首周りをすっきり見せたりする効果があるのです。

次回は、そんなドッグカラーネックレスのコーディネートについてご紹介します。