SKIP TO CONTENT

研究開発について

ミキモトの真珠研究

ミキモト創業者の御木本幸吉は、地元三重県のアコヤ貝が天然真珠を採取するために乱獲され減少していたことから、当初はその保護と増殖を目指して養殖に取組んでいました。
1890年(明治23年)に,東京帝国大学教授であり、東京大学三崎臨海実験所の初代所長を務めた箕作佳吉博士と念願の会見を果たした幸吉は、「理論的には真珠の人工的養殖は可能」という説明を聞き、アコヤ貝の養殖から真珠そのものの養殖に取り組む決意をしたのです。

幸吉は真珠の養殖に成功した後も膨大な研究・実験を行いました。より高品質の真珠を作るための養殖技術の開発や、赤潮などからアコヤ貝を守るため、養殖方法の改善に取り組み、その後の日本の真珠養殖事業にとって大変大きな役割を果たしました。1905年(明治38年)には、西川藤吉と共に、本格的に真珠成因の原理追求と技術革新を目指す独立した機関として研究所を開設しています。

その後、1933年(昭和8年)に多徳島に御木本幸吉が設立した「綜合真珠研究所」の流れを汲む「ミキモト真珠研究所」(三重県)は、長年にわたるミキモトの真珠研究の統合的研究施設です。研究内容は真珠養殖そのものに関するものから、真珠の品質研究や鑑別、真珠養殖を取り巻く海洋環境の保全など多岐にわたります。
御木本幸吉の意志を脈々と受け継ぎ、自社のみならず真珠業界全体の発展を目指して日々研究にまい進しています。

2004年(平成16年)には、世界初の生物センサーによる海洋環境観測システム「貝リンガル」を九州大学、株式会社東京測器研究所と共同開発しました。

貝リンガルは、二枚貝の生体反応を利用して海洋環境を監視し、赤潮プランクトンや酸素の状態などの異常をリアルタイムで把握することで、アコヤ貝をはじめとする魚介類への被害の回避に役立てられています。

環境への負荷と貝の負担を極力減らすことを念頭において開発されたこのような新しい技術は、海以外の水圏環境の観測への応用も期待されています。

ミキモトでは自然が生み出す生命の力と人の作り出した技術を利用して、これからも真珠を育む海を守り、自然と共生していくことを目指しています。

ゼロ・エミッション型真珠養殖場

真珠養殖は、養殖場はもちろんその周囲においても良好な自然環境が不可欠です。
ミキモトでは、自然環境の保全と永続的な養殖事業のために、排出物ゼロを目指した、ゼロ・エミッション型の真珠養殖を推進しています。

真珠を収穫したあとの貝は、古くから食用とされてきた貝柱などの一部を除き廃棄されてきました。ミキモトではグループ各社や社外とも連携して、真珠の養殖過程での排出物を全て活用しています。例えば、真珠を採収した後の貝肉や貝殻からコラーゲンや真珠層タンパク(コンキオリン)、パールミネラルなどの有用成分を抽出して化粧品や健康食品の原料として利用しています。さらに、貝殻を装飾品や土壌改良剤として、また貝肉残渣物や養殖中の貝殻の付着生物を堆肥(コンポスト)として活用しています。

養殖真珠の未来に向けた挑戦

2000年(平成12年)に福岡県の玄界灘にある離島、相島(あいのしま)で純国産の天然アコヤ貝の稚貝が発見されました。これを機に、九州大学や福岡県、新宮町などとの連携・協力によって、2007年(平成19年)から日本で初めて外洋性漁場での天然アコヤ貝を利用した真珠養殖事業に着手しました。純国産種の天然アコヤ貝を保護し資源増殖すると共に、ゼロ・エミッション型の真珠養殖を実践し、良好な自然環境の保全に努めています。相島で育まれたアコヤ真珠は、真珠層が緻密で、巻きが厚く、大粒。養殖真珠の未来を担って、真珠の美しい文化を次の世代につなぎます。