
LOOK BOOK
Style & Story
ジュエリースタイリストの伊藤美佐季さんが提案する「LOOK BOOK」。
“輝く人のジュエリースタイル”をテーマにしたコーディネートを、インタビューを交えてお届けします。
by Kikuno
「物語」のある輝きを、
お守りのように毎日身につける
ストリートカルチャーをベースに、音楽やアート、映像などを独自の感性でミックスさせながら、多方面で活躍する菊乃さん。ジュエリーは、毎日同じものを同じところにつけるのが菊乃さんのスタイル。
「私にとってジュエリーは“お守り”みたいな感覚。母親から譲り受けたものや、友人に作ってもらったものがほとんどで、ストーリーがあるものを大切に身につけるのが好きですね」。
最近は、少しずつ本物の輝きに興味が出てきたという。
「洋服はカジュアルだけど、ジュエリーは主張のあるデザインをたくさん重ねるようなバランスが気になっています。例えば、今回の撮影で着用した、“ユニヴァース エレメンツ”のリングを横にレイヤードしたり、サファイアのグラデーションが煌めく“ミキモト オーシャン”のリングを重ねづけするスタイリングは、私も取り入れてみたいと思います」。
気品のあるパールが
装いを引き上げてくれる
菊乃さんにとって、パールで思い出すのがお母様の存在。
「母がいつも愛用していたのがパールの一粒ピアス。カジュアルな服にパールをさりげなくつける母の姿が上品で素敵だなと思って、私も真似するようになりました」。
菊乃さんの定番であるスウェットやTシャツに澄んだ白い艶を放つパールのピアスやネックレスをつけると、背筋が伸びるような心地よさを感じるのだそう。
「若い頃は、輝きがどこか浮いている気がしていたのですが、自分に自信が持てるようになってからは、“いいかも”って思えるようになりました。ジュエリーも私らしく楽しんでいければいいなと思います」。
自分自身を知ることが
お洒落につながる
菊乃さんの装いのベースになっているのは、Tシャツ、スウェット、デニム、スニーカー。ストリートカルチャーを感じるリラクシーなアイテムが好きなのは、中学生の頃から変わることなく菊乃さんのファッションの軸となっている。
「最近は古着を着ることが多いですね。ネットで探したり、大阪にある大好きな古着屋さんに足を運ぶことも」。
オリジナルなスタイルは、自分に何が似合うのかを知っているからこそ。
「世間に自分が着たい服がなかったから、“じゃあ、自分で作ってみようか”ってブランドを立ち上げて。そうやって“好き”を追求しながら、時代や気分の流れに乗って、ここまできたような気がします」。
“楽しい”を仕事にするために
大切にしているのは想像力
2015年には、自身のファッションブランド「PURPLE THINGS」をスタート、2023年からは「MARMOT CAPITAL」のディレクターのほか、モデル、映像クリエイターなどを務める菊乃さん。多彩な活動の軸になっているのが“想像力”。
「自分が楽しいと思えることをどうやったら仕事に繋げていけるのかを想像するって、実は一番大事で。どうすれば持続可能で、お金にもなって、かつ自分の魅力も引き出せるかなど、色々考えたりしています。洋服を作る上でも、デザインや色のイメージを思い浮かべて、何がYESで何がNOかを決めていく。想像力を持つことは、何をする上でもすごく大切なことかなと思います」。
この先、してみたいことは?
「あまり人生計画みたいなものはなくて。アメリカのLAが好きなので、LAに行ってドライブしたいかな(笑)」。
グラフィカルな重ねづけで
ハンサムなムードに
今回は、菊乃さんのハンサムなムードを意識してコーディネートしました。同じデザインでサイズ違いのリングを横に並べたり、イヤーカフやペンダントを縦に連ねたり。グラフィカルなつけ方を意識することで、モダンな魅力を表現しました。
伊藤 美佐季
プロフィール
菊乃●デザイナー、モデル、映像クリエイター。写真の専門学校を卒業後、サンフランシスコとロンドンで暮らす。帰国後、デザインオフィスに勤務。2015年に自身のブランド「PURPLE THINGS」を立ち上げたほか、2023年からは米国発のアウトドアブランド「Marmot」のジャパンデザインライン「MARMOT CAPITAL」のディレクターも務める。
伊藤美佐季●ジュエリーディレクター、スタイリスト。フィレンツェに遊学、帰国後スタイリストに。旬を上手に取り入れつつ、つける人の個性を活かしたスタイリングは、女性誌のほか多くの女優からも支持が厚い。近著に「そろそろ、ジュエリーが欲しいと思ったら」(ダイヤモンド社)@jewelryconcierge_m
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